2014年2月16日日曜日

俺が考えた最強のルーディメンツ/その名も『煉獄』/無限に続けれることができるので楽しい

僕はキーボーディストなんですがドラムが凄い大好きで、動画を見ています。
覚えたパターンを、Mashineというドラムマシーンで練習するのが好きです。

で、色々やっているうちにどんな練習をすればいいのかわかってきたのですが、その中でも特に効率がいい「ルーディメンツ」という練習パターンがありますので、今日はこれを紹介します。

Native Instrument社 Mashine

Chris dave

Boswell & Figg


今回は僕が考えた最強のルーディメンツ、その名も「煉獄」をご紹介します。
読むのを辞めないでください。
お願いします。

ルーディメンツとは、ドラマーがよく練習パッドでパタパタと練習しているあのパターンなのですが、代表的なものが40個あるようです。

ルーディメンツ

参考動画:パラディドル



けれど、このフルバージョンはちょっと僕には多すぎるし難しすぎるし覚えれないので減らしました。
さらに「これも入れた方がええやろ」ってやつを追加しました。
完璧です。

それがこれです。
じゃーん。


ちなみに「煉獄」とはもちろん、週刊ヤングマガジンに掲載されている格闘漫画『喧嘩商売』の中で、富田流が進道塾からパクってきたあの最強の秘技であります。

「煉獄」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%96%A7%E5%98%A9%E5%95%86%E5%A3%B2#.E9.80.B2.E9.81.93.E5.A1.BE_2

煉獄
山本陸によって開発された、進道塾の一部の高弟にのみ伝えられる秘伝の技。それぞれ5つの急所への連続技からなる7種類(左右14種類)の型で構成され、形稽古によって習得する。
  • A(片手型):裏拳(鳩尾)→裏打ち(顔面)→鉄鎚(金的)→肘打ち(側頭部)→手刀(顔面)
  • B(両手型):鉤突き(脇腹)→肘打ち(側頭部)→両手突き(顔面+金的)→手刀(首)→貫手(鳩尾)
  • C(片足型):下段回し蹴り(膝関節)→中段回し蹴り(脇腹)→下段足刀(膝)→踏み砕き(足甲)→上段足刀(顎)
  • D(両足型):左下段前蹴り(膝)→右背足蹴り上げ(金的)→左中段前蹴り(下腹)→左中段膝蹴り(鳩尾)→右上段膝蹴り(顔面)
  • E(片手片足型):振り上げ(顎)→手刀(側頭部)→鉄槌(脳天)→中段膝蹴り(鳩尾)→背足蹴り上げ(金的)
  • F(両手両足型):左上段順突き(顔面)→右中段掌底(鳩尾)→右上段孤拳(顎)→右下段回し蹴り(膝関節)→左中段膝蹴り(脇腹)
  • G(両手両足頭型):右中段回し蹴り(脇腹)→左上段後ろ回し蹴り(側頭部)→左中段猿臂(胸部)→右下段熊手(金的)→上段頭突き(顎)
「AからGまでの7種(左右14種)のうち1種から開始し、ひとつのパターンが終わると相手の体勢などの状況に応じて新たなパターンを選択・開始し、以降これを絶え間なく繰り返す。
一度煉獄が始まると、使用者が止めるまで、相手は逃れることも倒れることもできなくなる。最初のパターンで相手の動きを確実に止めることが重要となる。
対戦相手にはただの連続攻撃としか見えないが、第三者が客観的に観察した場合その法則性に気付いてしまう可能性があるため、進道塾では第三者のいない一対一の状況以外での使用を禁じられていた。」



ということですね、「俺が考えた最強のルーディメンツ」は無限に続けれるようになっております。
煉獄です。

では説明します。

まずNo1.2.3は超基本形です。

2.ダブルストロークは、RR LL と同じ側の手で二回打つのが特徴です。

3.パラディドルは、RからはじめてRRLRと打った後に、全く左右反対にしてLLRLと打ちます。
パラディドルは最初結構難しくて、均等な強さで(本当は頭にアタックを置きます)、しかもリズムを正確にプレイするのはかなり難しいです。

けれどこれをできるようになると、指ドラムが相当うまくなります。
それにキーボーディストだったら左右のコンビネーションが正確になります。
ドラマーでなくてもリズム感を鍛えるために練習する価値があります。

さて、この3.パラディドルに黄色く「SWITCH」(以降SW)と書いてあるのですが、これは始めRからスタートして4つたたくと、次の頭の拍がLに切り替わるということを示しています。

つまり、右手から初めて4つうったら、次は左手に切り替わるわけです。

これを活用すると無限にパターンをつなげていけます。
No.6〜11をみてください。
このパターン無限に続けることができます。

さらに途中で他のパターンにかえることもできます。
No.6から初めて、次にNo.7にかえて、次はNo.8にと無限に続けることができます。

ちなみに6〜17は全て、1〜5の組み合わせでできています。
並び方が違うだけです。

ですから1〜5をみっちり練習して、つなげて6〜11を練習する。
で、できたら12〜17を練習するって感じでやってください。

以上です!!!
非常に楽しいのでみなさんもトライしてみてください。
どの楽器のプレイヤーにとっても必ずいい効果があります。

ではまた。


2014年2月9日日曜日

協和音・不協和音とは

聴覚障害の作曲家がゴーストライターに作曲を依頼していた件、世間に衝撃を与えていますがこれが良いことなのか悪いことなのか、私個人は興味がありません。

あくまで音楽家の興味関心は音楽そのものにあるのであって、世間からの評価や音楽を巡る表象にはないでしょう。

さて、この問題にまつわる批評や記事の中で「不協和音」という用語が散見されますが、この用語は誤解を受けているように感じます。

不協和音という用語は非常に曖昧な概念であり何を不協和音と考えるかは流派や時代によってもかなり異なりますし、究極的には個人の問題になってしまいます。

にも関わらず不協和音は明らかに拡大解釈され、あたかも明確な定義があるように考えられているようです。

実際には不協和音に一義的な定義はなく、長い音楽の歴史を背負った複雑な概念なのです。

ということで、今回は協和・不協和をめぐる議論の密度を理解していただき、音楽の豊かさを感じて欲しいと思います。
ひいては音楽を語る際に「不協和音」という言葉を安易に使うことの不思慮に気付いてほしいのです。

さて、協和と不協和の歴史を4000年分振り返ってもいいのですが、我々は現代に生きているので、まずは現代で協和と不協和がどのように考えられているか追ってみましょう。

広く欧米の音楽学校で採用されているハーモニーの教科書「Tonal Harmony」を参照します。この本は邦語のどの文献よりも中立的で丁寧、具体的で簡潔です。

「Tonal Harmony」
http://www.amazon.co.jp/dp/0073401358

「協和音程と不協和音程について」
-Consonant and Dissonant Harmonic Intervals-


調性音楽においてある音程は協和とみなされ、残りの音程は不協和とみなされます。
協和と不協和という用語は、耳に心地よいか、それとも不快かということによって一般的には定義されますが、個別の事象について考える場合にはこれは文脈に大きく依存します。

例えば、調性音楽における一番心躍る瞬間のいくつかは不協和に関わっていますが、当然この文脈においては明らかに不快ではありません。


この協和と不協和の問題はみなさんの予想通り非常に難しい問題であり、本書の大部分がこの問題と関係があります。


さしあたってここでは以下のように考えれば十分でしょう。


以下の音程は協和であり、それ以外は不協和である。

・major and minor 3rd and 6th
・perfect 5th and 8ve(octave)
・perfect 4th(ただし和声の最下部と二番目の間に生まれる場合を除く)

-引用終わり-


この「Tonal Harmony」の引用を読んでいただき、協和と不協和という概念が非常に複雑な問題をはらんでいる、ということがわかっていただけたと思います。

まとめると以下のようになります。

1 協和・不協和は、文脈によって決まるのであり、自明の協和・不協和はない。
2 便宜上定義するとすれば、「major and minor 3rd and 6th、perfect 5th and 8ve(octave)、perfect 4th(ただし和声の最下部と二番目の間に生まれる場合を除く)」は協和音程であり、それ以外は不協和音程である。

この2つについてもう少し詳しくみていきましょう。

1 協和・不協和は、文脈によって決まるのであり、自明の協和・不協和はない。

私が今回特に強調したかったのがこの点です。

例えば同じG7というコードも、曲のどの部分に出てくるのか、どのような曲なのか、といった諸要素によって協和したサウンドになるか不協和なサウンドになるかは全く変わってきます。

極端な話、ほとんどのコードがディミニッシュコードやオーギュメンテッドコードで構成されている楽曲の場合、このG7は非常に協和したサウンドとして聞こえるでしょう。

もっといえば、近現代のような複雑なサウンドがメインであり、しかもそれが安定した形に聞こえる場合、G7というコードは非常に鋭く不協和に聞こえることさえあります。
これについては以下が参考になります。

『20世紀前半のアメリカにおける「不協和」の概念 : ウルトラモダーンの作曲家を中心に』
http://teapot.lib.ocha.ac.jp/ocha/bitstream/10083/4571/1/KJ00004857909.pdf

くりかえしになりますが、協和と不協和という問題は複雑であり、これを判断したり説明するためにはかなり高度な教育をうける必要があります。

もちろん、このコードが好きとか嫌いとか個人的な判断をすることはできますが、これは他人に理解を求めることができる性質の言説ではありません。

肉がおいしいか魚がおいしいかといった、個人の意見の吐露にすぎません。

2 便宜上定義するとすれば、「major and minor 3rd and 6th、perfect 5th and 8ve(octave)、perfect 4th(ただし和声の最下部と二番目の間に生まれる場合を除く)」は協和音程であり、それ以外は不協和音程である。

狭義には、協和と不協和の定義としてこの2が想定されるでしょう。
この定義を採用する場合、楽曲に頻出する「ドミナント7thコード」=「属7和音」は不協和音であります。

意外ではありませんか?
不協和音とはもっと変な和音のことだと考えていませんでしたか?

キーがCメジャーの場合、ドミナントコードとはG7のことをさします。
G7が出てくるなんてとても普通の楽曲ですし、別にG7のことを不協和音とは一般的には考えられていないですよね?

ですが一般的に音楽の教科書で最初に習う便宜的な定義では、ドミナントセブンスコードは不協和音なのです。

この2の定義とブログや新聞、テレビなどのメディアで使用される不協和という概念を照らし合わせてみると、一般的に協和・不協和という概念ががあまりに恣意的に使われていることがわかっていただけたと思います。


まとめに入りましょう。

私が皆さんにお伝えしたかったのは、協和と不協和という概念が音楽の根幹をなす非常に複雑な問題をはらんでおり、それゆえもっともっと本格的に考える価値のある概念であるということです。

ぜひこの問題に関心を持った人は、一歩進んで勉強してほしいと思います。

ではまた。