2014年4月23日水曜日

音楽理論/レット・イット・ゴー〜ありのままで〜(Let it go) /「アナと雪の女王」主題歌

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「アナと雪の女王」のテーマソング『レット・イット・ゴー〜ありのままで〜(Let it go)』、テレビや街でめちゃくちゃ流れていますよね。かっこいい。

まだ映画は見てないのですが、とにかく曲がかっこいい。映画みてないのに、きっと主人公のアナが背負った生い立ちを受け止めて、最後は自分らしく生きていく決心をする映画なんだろうな、と涙しています。






早速、iTunesで松たか子さんの歌う日本語バージョン買いました。

色々バージョンがあるのですが、今回は日本語バージョンをとりあげます。やっぱりミュージカル映画ですから、ダイレクトにメッセージが伝わってくる日本語がいいですね。



それにしてもディズニーの曲って全部かっこいいですよね。私はアラジンのテーマソング「ホール・ニュー・ワールド」が好きでした。男性の方はピーボ・ブライソンという人なんですが、けっこういい曲をたくさん出していて、よくDJでかけてます。







このアルバムが最高です。スプレッドウィングが最高!4時半くらい、もうだんだん人がかえるかなあってくらいの最後の盛り上げにベスト。切ない。





ということで本題に入っていきましょう。
最初にはったYOUTUBEで時間を指定していきますので参照ください。

また今回はこちらに楽譜を用意しました。
再生もできるので便利です。


いちおう楽譜も。
例のごとくキーをCになおしてあります。原曲は、Abですので、原曲と一緒にプレイしたい人はM3下げて演奏して下さい。



日本語入力ができないようだったので歌詞はローマ字で。やり方分かる人はおしえてください。

で、楽譜の部分は大サビ、動画でいうと2:00からの場所ですね。一番盛り上がるところ。CMなんかで放送されているのはおそらくこれだと思います。

とても素晴らしい曲なんですが、それゆえ説明すべき場所がほとんどありません!笑
小手先の技でできている曲ではない。ただただシンプルにいい曲。

野球でいったらただのストレートなんだけど、速すぎて誰も打てない笑、みたいな。
コツとかない。ひたすら練習して投げれるようになった速い球、みたいな感じです。

そういっちゃうと終わってしまいますが笑




ということでボブ・マーリーの名曲『ノー・ウーマン・ノー・クライ』を引っ張り出してきました。最初のオルガンのリフ、鍵盤やってる人なら絶対練習したことがあります。かっこよすぎ。


で、なんでこれを出したかというと、レット・イット・ゴーのサビと、1:16ぐらいからの平歌部分、いんざがばめんとやーどいんとれんちたうんー、というところのコード、一緒なんですね。キーはもちろん違いますが。

ノー・ウーマン・ノー・クライではキーがDbなので、Db Ab Bbm Gbと演奏してます。
このコード進行と、レット・イット・ゴーのサビは全く同じ進行です。

同じだからなんなんだってとこですけど。
好きな曲が同じコード進行ってやっぱり嬉しいじゃないですか。

コードが同じだとパクリだとか定番だとか、良くないことのようにいう人がいますが、そんなことはない。コード同じなのに全然違う良さがある。逆に音楽ってすごいなって思いませんか?同じ構造なのに感動が違うんですよ。すごいですよね。

で、ちょっとこのコードを見て行きましょう。
C G Am F の繰り返しですね。

僕的にポイントなのは、FからのCに戻る部分です。
ここすごい好きです。個人的には切ない感じがする。ぐっとくる。

このブログでも何回も書いているんですが、FからCに戻る進行は、ソウルっぽいというか、ゴスペルっぽいんですよね。


書いてて思い出したんですが、絢香さんの i believe も多分同じコード進行ですね。サビ。レット・イット・ゴーと同じように、女の子が自分自身を受け止める歌ですよね。




なんというかこう、自分と向かい合う、内向的な、しかし力強くまえ向かう。そんなテーマにあってるんでしょうか。このコード進行は。

ボブ・マーリーの歌も日常にある悲しさと、それでもやっていくしかない、っていう前を向くところがテーマとして似ています。


ここでいいたいのは、このコードを使えばいい曲が書けるとか、切ない雰囲気がだせる、といった小賢しいことじゃあないんです。

自分がいいなあと思う楽曲にたいして向き合い、なるべく多くのことを引き出そうとする営みなんです。より音楽を深く味わうための。

美味しい料理を食べたら、どうやって作るのかな、材料は?香辛料は?焼いているのかな?そういうことが気になるでしょう。

それで、例えばタイ料理好きだったら、そうか!!!私が好きなこの味は、パクチーだったのか!!って発見があったら嬉しい。スーパーに行って大量にパクチーを買ってなんにでもかけちゃう。みたいな。

好きなものがあれば調べて、どうなってるのかたくさん知りたいでしょう。音楽理論も同じです。対象を深く知るための行為だといえると思います。

なのに最近は、「タイ料理はパクチーがかかっているから美味しいんだ!」みたいな雑な人が多くて残念です…それは嘘ですよね。

今食べているこの味はパクチーだということはできても、パクチーを入れれば美味しくなる、ということはできない。

我々ができるのは、何が起きているのか、ということに向かい合うことだけだと思います。


話が長くなってしまいました。戻りましょう。
コードはC G Am Fの繰り返しであると述べました。
次はメロディを見て行きましょう。

やはり特徴的なのは、ありのーままでー、という部分ですよね。二回繰り返されています。

ラシドーという部分ですが、これ非常にマイナーキーっぽいサウンドですよね。
コードはFからCに帰る部分ですから、どちらもコードだけ見ると明るいサウンドだといえますが、メロディーはマイナーっぽい。いいですね。

ありのーのあと、Amを弾いてしまいそうになるくらい暗いメロディですが、実際のコードはCなので、この対比が面白いです。

ままでー、はG G D、完全にコードに含まれる音を使うことで力強い印象になっています。またGとDの完全五度の跳躍も力強い。ありのー、の繊細な雰囲気と、ままでー、の力強い雰囲気がうまく対比されています。

二回目の、ままでーは、G 「E」 D とほぼ繰り返しなのですが、「E」でグッとテンションを上げてきています。ここまでは「D」が一番高い音でしたので、さらに高い音「E」が初めて使われたことで、聞いているひとは注目します。

そしてそこから、飛び出してみるのさー、から一気に音高もテンションもあがります。「F」というこの曲中、二番目に高い音が出てきますし、メロディーのラインもぐねぐねと動くテンションの高いラインになっています。

そして最後の、二度と〜、部分です。
高々と「G」を唄い上げます。


「二度と涙は流さないわ。」
彼女の決意が曲中の最高音「G」と共に表明されるわけですね。

僕はいつもあまり歌詞については言及しないのですが、この曲は歌詞と曲の構造が完全に一致し、聞く人を引き込んでいきます。パーフェクト。

ミュージカルの良さが発揮されてます。
このシーンでこのうたを歌う必然性がしっかりとあり、メッセージの高まりと音高の高まりがリンクして、目の前でアナが地面を蹴りつけて氷面ができる。
すごい!


あと動画をみていて思ったのですが、アナは片方しか手袋してませんね。
全く映画をみていないので詳細はわからないのですが、くらい水色の手袋は、アナの心理的なガードの象徴なんでしょう。序盤は全く生身の手を見せずに、手袋しかみえません。

しかし、0:52ごろから、悩んでいたけれどそれももうやめよう、というあたりから左右の手をみせます。つまり生身の手袋をしていない自分自身を、しっかりと見せるのです。

それでバーンと投げてサビへ!!!
すごいリンク具合。



あの…映画みてないので、もしからしたとんでもない誤解をしているかもしれませんが、許してください。そもそもこの人アナじゃない可能性もありますね笑

映画見なくてもこの動画みるだけで泣けてきます!
映画館明日行きます!!!

ではお疲れ様でした。
















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