2014年9月17日水曜日

メモ/コンセプト Traditional Music Theory for Contemporary Musians

Neralt 著「Traditional Music Theory for Contemporary Musician」は、現代の音楽家に対して、ジャズやソウルの演奏家といった過去の音楽家が持っていた、もしくは使用していた「伝統的な音楽の知識=音楽理論」を提供します。この伝統的な音楽的知識は、単に過去の知識ではなく、現在の音楽家にとっても価値のあるものであり、未来の創作につなげることができます。

伝統的な音楽理論の重要性は、2つの理由で現代で一層重要性が増しているといえます。

1)
現在の音楽制作はDAWに代表される「テクノロジー」に主導されるようになりましたが、リスナーがいまだメロディーやコードと行った古典的要素に強く惹かれるという事実を、認めないクリエイターはいないでしょう。この古典的技術は、時代遅れになるどころかむしろ、テクノロジーに長けたアーティストが増えるにつれて、一層重要になってきています。結局のところ、いくらテクノロジーが音楽を先導するからといっても、最後はメロディやコードといった要素がクリエイターの主要な関心であることは変わりません。伝統的な音楽技術を学ぶことで、転調やコードといた基礎的な問題に悩むことがなくなり、一層クリエイティブな問題に集中することができます。

2)
本書は現役で活躍するミュージシャンの要望に応えるために制作されたワークブックであるため、面白さや楽しさよりも、完全にマスターすることを主眼においています。
ただし、レベルは楽譜の読み書きが多少出来る、いくつかのコードが演奏できるレベルの読者を想定しています。

レコードが過去のものであるにもかかわらず、むしろの伝統性によってトレンドとなっているように、音楽理論の伝統性がむしろ逆説的に、現代的であるようにせねばならない。

0 件のコメント:

コメントを投稿