確かに私もそう思うけれど、だとすれば私は嫌な客にあてはまる!!
コードやリズムに一々感想を抱く、細かい客だからだ!
けれどそういう客も時には必要だろう。
あなたがつくったモチーフや和声上の拡張を私は見逃さない。
今切ったミドル帯域の変化を見逃さない。
よく知られたスタンダードのうえで、これまたよく知られたスタンダードのメロディを挿入したことを見逃さない。
私はよく見ている。
ミュージシャンズミュージシャンという言葉がある。
ミュージシャンが好きなミュージシャンのことだ。
しさし、ここで私は傲慢ながら新たにミュージシャンズリスナーという肩書きを宣言したい。
熱狂的なファンとは異なるが、しかし熱狂的なリスナー。
音楽的な変化を見逃さない偏執的なリスナー。
そういった人達の前で演奏するのも、ミュージシャンとしてはひとつの幸せだといえないだろうか。
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