面白くなってきたので、続けてレビューを。
『数字で考える音楽理論』
桶谷 弘美
http://ci.nii.ac.jp/naid/110008096386
☆概要
「数字で」というワードは、音楽理論の領域では、かなり「地雷ワード」である。
なぜならば、素人が思いつくような数学的な扱い方は、既にされているためである。
というか、「数字で」と大袈裟にいったものの、「数を数える」くらいのことにしか数字が使われない。
その後演算されることもない。
それくらいの数字は、もともと音楽理論に内包されていますよ!!!
今回の論文も、音楽理論の専門用語を数字に置き換えることで、わかりやすくなる、という程度のもので新規性はない。
とはいえ、和音の部分はかなり分かりやすい。
(このような方法で、多くの人が指導しているものと思われるが、文章にするのは結構面倒で、その労力を肩代わりしてくれたことは素晴らしい!!)
ただし、それ以外の音程、スケール、五度圏については、むしろ分かりにくくなっている。
○よいところ
和音の項目が非常にわかりやすく、また文章も丁寧で、初めて習う人にお勧めしたい。自分もこれと同じ説明の方法をとる。
×悪いところ
それ以外の項目は、ちょっと分かりにくい。通常の用語を使い、通常の概念で理解したほうがよいだろう。
詳細
CとEの間は半音が5個ある。(補足)
(この説明はおかしい。半音は5個もない。というか半音が何個という数え方は本来おかしい。
私はこう説明することにしている。)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
鍵盤をイマジンして。
CからEまで、鍵盤を一つずつ数えるわ。
最初の鍵盤も、最後の鍵盤も数えるのよ。
C C# D D# E。
何個あったかしら?
5個よね。
これからこうして数えることにするわ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
こうすると、今回の論文の数字と一致する。
繰り返しになるが、この論文で説明するような「半音でいくつ」という概念はおかしい。
もどります。
CからEは5です。
じゃあEからGは?
4です。
ですから C E G=Cメジャーコードは、
ルートから、4 + 5ということになります。
この様式で様々なコードを表しますよ、ということですね。
この方法で引き続き、スケール、五度圏などについて説明しますが、かなりわかりずらいので、あまり初学者の参考にはならないと思われる。
割愛します。
課題と提案
最初の半音の数え方に問題がある。
neralt式を採用してください。
neralt式を採用してください。
まとめ
和音のところはとても分かりやすいのでお勧めです!残りのところは、他の方法で理解しよう!!
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